メインビジュアル

| 連載「コロナ災害から見えてくる現代社会の問題」
  1. HOME
  2. 連載「コロナ災害から見えてくる現代社会の問題」 第1回 長引く休校

掲載日:2020年5月4日

第1回 長引く休校

疲弊する家庭 孤立する子どもたち

休校中の小学校
休校中の小学校(川口市内)

埼玉県では休校期間が2か月を超え、さらに5月末までの延長となったことから、今後ますます自宅で自粛生活を送る子どもや親の様子が心配されます。

虐待事件の多くが先生へのSOSで発覚するように、子どもにとって一番身近なセーフティネットは学校です。外出自粛要請下ではなおさら周囲に助けを求めることをためらうことが想定されるため、唯一子どもとつながっている学校の役割は大きいのです。

そこで、虐待やDVなどを未然に防ぐため、学校は各家庭と様々な方法でコミュニケーションを取り休校中の安否確認を徹底してほしいものですが、対応にばらつきがあるのが現状です。コロナ下で困難を抱える家庭は急増しており、悲しい事件に発展することがないよう願うばかりです。

また、子どもの学習権の保障も大きな課題です。家庭学習用のプリント配布や動画配信等が行われているものの、特に小学生ではそばに親がついていなければ取り組めず、仕事などで親との十分な時間が取れない家庭や、通信環境のない家庭に教育格差が生じています。教育委員会はコロナ休校を機に、虐待や家庭内で起こりうる問題に対して常にアンテナを張ると同時に、すべての子どもが平等に学べる環境を早急に整えてほしいものです。

国や自治体はさまざまな家庭があることへの想像力を

今回、こうした状況を想定した対策がほとんど検討されないままの一斉休校となった背景には、休校を要請した為政者の側に、子どもの貧困や現代の孤立した子育て環境に対する認識不足があったと言わざるを得ません。

たしかに一斉休校は、急激な感染拡大の防止には功を奏したかもしれません。しかし、感染症対策と同等に休校による弊害からも子どもの命を守る責任があります。学校給食を主な栄養源にしている子どもがいる中で、学校という生存維持の重要なインフラを絶つという決断が何の支援策もなくなされたことには想像力の欠如を感じます。また、貧困や孤立など家庭内の問題は自己責任で解決すべきこととされてきた社会の風潮も変えていかなければなりません。

政府、自治体、教育委員会などのすべての為政者は、コロナ休校を機に現代の子どもと親が抱えるさまざまな問題に対する認識を深め、想像力を働かせた細やかな対応に努めるようになってほしいものです。それが孤立しがちな現代家庭との信頼関係となり、学校が本当のセーフティネットとなる第一歩ではないでしょうか。

*なお、この記事の趣旨と同じ要請を越谷ネットの代理人が教育委員会に行った結果、
 市内全小中学校で子どもたち全員への安否確認などが行われることになりました。

コロナ災害に関する社会の状況について皆さんのご意見をお聞かせください。
またお困りごとなどコロナ災害による被害の実態をお聞かせください。
宛先 saitamaken.shimin.network@gmail.com