メインビジュアル

| 連載「コロナ災害から見えてくる現代社会の問題」
  1. HOME
  2. 連載「コロナ災害から見えてくる現代社会の問題」 第5回 新型コロナ感染症と気候変動

掲載日:2020年6月1日

第5回 新型コロナ感染症と気候変動

気候変動の図
出典)国連気候変動枠組条約に提出された約束草案より抜粋
全国地球温暖化防止活動推進センターHPより引用

環境軽視に起因する気象災害と生物災害

2019年12月に第25回気候変動枠組条約締結国会議(COP25)が開催されました。それを機に「1.5度目標」達成のために、自治体が「気候危機宣言」をしたり、2050年までに「CO2排出実質ゼロ宣言」をするなど、気候変動に対する全国的な動きが活発化し始めました。しかし、それと時を同じくして新型コロナウイルスが出現し、世の中が「対コロナ」一色となりました。ウイルス感染症という「生物災害」の前で、気候変動も、人権も、教育も、経済も、全てが後回しになりました。

ここ半世紀で突出されてきた新興感染症の多くは、奥地に暮らしていた野生生物が、森林伐採など人間による開発で生息地を奪われ、ウイルスと共に人間社会に接近したことが原因と言われています。環境を軽視したことで、回りまわって大きな経済的・社会的損失をもたらすという点で、ウイルス感染症も気象災害も共通しています。この100年ばかりで生物災害は84倍、気象災害は76倍(国際災害データーベース)となっています。

ジュゴン
ジュゴン ヤフーニュースHPより引用

欠かせない国・自治体の力強い環境政策

「何とかなっている」間はなかなか行動パターンを変えられない私たちですが、この感染症という人類の危機において、不要不急の外出の自粛、人々の移動の激減、大型施設の休業などが求められました。その劇的な変化の副産物として、CO2排出量が昨年比8%減の見通しとなり、人影のない海岸でウミガメの産卵や、ジュゴンの出現など環境的には喜ばしい状況をもたらしました。

しかし、これが続けば私たちの経済が非持続的であることも、そして、これだけの劇的な変化にもかかわらず、CO2削減目標に至ることなく、一人ひとりの生活の努力だけでは、気候変動を食い止めることができないことも明らかになりました。気候変動がすすめば、更なる感染症がより頻繁に、広範囲で広がることも予測されています。健全な環境なくして私たちのくらしは成り立ちません。

私たちは今回得たリーモートワークや家庭での楽しみ方など、環境負荷の少ない新しい生活様式を今後も取り入ていく必要があるでしょう。そして何よりも国や自治体が、これからの感染症の被害を回避するためにも、気候変動を最優先の課題としてしっかりと向き合い、これまで以上のダイナミックな政策を打ち立てる必要があります。

コロナ災害に関する社会の状況について皆さんのご意見をお聞かせください。
またお困りごとなどコロナ災害による被害の実態をお聞かせください。
宛先 saitamaken.shimin.network@gmail.com