埼玉県市民ネットワーク通信 NO.37 2006年4月

【目 次】


50年後を見据え足元から参加型政治をさらに

03年統一地方選の3勝7敗という無惨な結果から多くのことを学んだ私たちはこの3年間、組織や政策などをじっくりと検討し続けてきました。その地道な積み重ねを市民の方々に訴えていく活動がスタートします。

国では「転落防止網を張らない空中ブランコのような構造改革vs失策等から充分対案を出し切れない野党」という状況が続いています。見え隠れするのは国民置き去りの政党政治です。

そんな政治に替えて、真に「私たち市民のための政治」をつくり出す必要があります。来年の統一選にぜひとも成功し、埼玉で「自治する市民」の輪をさらに広げたいと考えています。

憲法改悪の動きなど、恐ろしい方向にアクセルが踏み込まれ、平和も民主主義も危機にさらされています。その状況をUターンさせ、もっと人が大切にされる未来をつくる、最も有効な方法は、多くの市民が政治に参加することです。

総代会の後、グランド・デザインプロジェクトが2年間検討してきた政策を答申しました。50年後を見据えて今何をすべきか「市民マニフェスト」としてまとめたものです。大勢の人が話し合いに「参加したくなる」、そんな政策を示せそうです。         

加藤佳子(代表)

未来を見すえ、市民自治を基本として、
 地域政治への市民参加を広げます

今年度の主な活動方針

①県内に代理人運動を広め、地域ネットと代理人を増やし、市民一人ひとりが持つ地域の課題を解決します。
②教育・平和・環境・食などリアルタイムの社会問題について意見表明します。
③ 代理人運動と県ネットを広く知らせる広報活動を行います。


憲法学習会

県ネットでは2月20日善方一夫先生(元高校日本史教諭)を招いて、憲法改正について話し合いました。

注目の9条について自民党案では「1項はそのまま」、「2項は自衛隊を自衛軍とし集団的自衛権の容認」を打ち出している。また「公共の秩序維持のために反政府活動を取り締まる可能性もある」とのこと。

第96条(憲法の改正その公布)は、現行「衆参両議院の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し、国民に提案し」であるが、案では「衆議院または参議院の発議に基づき各議院の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案し」とハードルを低くした。

難しいことや暗いことは深く考えない風潮、気がつかなかったり、なんとなく言えない雰囲気の中で、自衛隊はもう自衛軍なのだから憲法を変えても差し支えない、と戦争をしたい人の方向に近づいています。

講演後、私達に出来ること・働きかける方法を話し合いました。今まで60年戦死者を出さなかった平和日本を誇りに、少人数でも集会を開き、易しい言葉で命を大切にするよう若い人に話しかける、など活発な意見が交わされました。

竹花道子(平和委員会)


流れを 変えよう(八ッ場ダム訴訟の今)

「八ッ場ダム建設への公金支出差し止め」と「負担金の返還」を求め、埼玉で32人(6都県では約200名)の原告が、45人の弁護団とともに提訴中。既に利水・治水両面で、必要性を論議する本論に入った。

八ッ場ダムは不要であり、負担金に私たちの税金を支出するのは違法であることを今後、利水・治水・環境などさまざま観点から論戦していくことになる。

人口は減少に転じており、少子高齢社会に向かう今、大型公共事業の代表的ハコモノで環境を破壊するダム建設が、将来負の遺産となるのは明らかである。80年も経たないうちに土砂で埋まり、未来永劫使用できないのだから。

「宮ケ瀬ダムを造った神奈川県で水道料金を2割弱値上げ」と新聞報道された。節水型機器や暮らしの変化で使用水量が大幅減少、水需要予測の甘さが指摘されている。ダム建設後の負担が県民に重くのしかかることは間違いない。 八ッ場ダムはまだ本体工事に入っていない、今なら間に合う。官業主導ダム建設の是非を問うこの裁判、日本の未来を大きく左右するはず。行方をしっかり見守りたい。

藤永知子(水部会)

次回裁判は4月19日(水)11時から
さいたま地裁105号法廷
「傍聴しませんか」


大型紙芝居の出前好評です

生活クラブ鷲宮支部に出前しました。

わが吹上ネットの話も加え、真剣に聴いてもらった。参加者から出されたのは、給食センター建て替えに伴う家庭への協力依頼の件。「各校週1回の弁当持参で対応していきたい」と保護者に知らされたのは話がほとんど決まった後。討議過程で当事者の親がないがしろにされるのは納得行かない…と。日頃より町政や議会に関心を持ち、多くの意見をすくい上げ、皆で意見をたたかわせ、町政に反映していく力が、ネット活動にあることをお伝えできました。
出前ご注文はネットまで。

井上千恵(吹上)